2014年1月の記事一覧

夜勤の魅力1

夜勤の巡視の際の忘れられない思い出ですが、私が看護師になって3年目だったのですが初めての夜勤で重症者のいる部屋を任された時のことです。

脳卒中で救急搬送されて、充当な状態だったのですが、何とか一命をとりとめ、その後少しづつ回復してきたときのことでした。

夜中に私を呼び止めこんな話を始めました。

自分は昔帝国陸軍の士官だったが任務のためにいろいろと秘密工作をやっていた。

戦死した従兄弟の戸籍と自分をすり替えてそのまま今日まで生きてきた。

終戦は満州で迎えてそこで憲兵の仕事をしていて現地では今思い出すのもおぞましいことをやっていた。

シベリアで3年間抑留されてその後日本に帰ってきたけれど、戦争犯罪人として死刑になる覚悟だった。

でもこうして73歳まで生きながらえて、自分が自分でないようななにか実感の沸かない人生だった。

役所で本当の名前に戻そうと話をしてみたが、無理だと言われたので、従兄弟の名前で生きてきたが、本当の自分の名前に戻して一生を終えたいと思っていたと。

こんな深刻な話を聞けるのは看護師だからこそでしょう。

その後その患者さんは退院しましたが、その後も一人暮らしの寂しさからかたまに病院に来ては話相手を探しているようです。

「人間って死ぬのは怖いものだと思っているけど、意外に死ねないものだね」と言っていたことが印象出来でした。

看護師の仕事をよく知らない人からは「夜中の病院なんて気味が悪くて私には絶対に無理な仕事だ」というようなことを言われたこともありますが、日勤の慌ただしさに比べれば患者さんの急変がない限り、ゆったりと仕事ができますし、先ほどのお話のように、眠れない患者さんや話し相手を求めている患者さんとの会話ができたりと私にとってはとても好きな時間です。

そうはいっても看護師の多くは女性ですから、やはり怖い話をした後なんかだと一人で巡視に行くのはなかなか気が進みません。

どこの病院にも人の生と死の最前線で仕事をしている以上、怖い話というのはいくらでもあるのです。

2014年1月31日|

夜勤の際の巡回業務

看護師の古典的なイメージとして夜間に、ベッドサイドをランプを手にそっと巡回して回るというイメージがあります。

看護学校の校歌にもこんなイメージから作られたような歌詞がありますね。

夜勤はこの巡回が中心的な仕事内容になりますが、私が勤めている大学病院では2時間ごとに巡回することとなっており、これをこなすだけでも結構忙しくなります。

巡回はただ見回るだけでなく例えば紙おむつの中までライトで照らして失禁がないか確認したり、時にはおむつを替えたりなんてこともあります。

うんこ、おしっこ、おならにいちいち驚いていてはこの仕事は務まりません。

ところが患者さんにとっては他人である看護師にこうしたいわゆる「下の世話」をされることを気持ちよく思わない人がほとんどです。

ですからここはクールに事務的に処理しているようで、でも根底に愛情が感じられる介護をすることが求められます。

このさじ加減は非常に難しいのですが、ここはやはり経験がモノをいう部分でもありますね。

夜勤では時におかしなこと、ぎょっとすることがあります。

私が今までで一番驚いたのはやはり何といっても患者さんの息がない、脈が停止しているのを見つけた時です。

これは何度か経験していますが、やはり一番冷や汗をかくくらい驚きます。

ただ不思議なことに驚きはしても、冷静に対処できるんです。

発見した瞬間には本当に驚くのですが、その後は冷静に心臓マッサージを施し、別の看護師と医師に連絡を取ります。

人が亡くなった時には特に巡回の際に発見した時にはなにかできることをしていなかったようなぽっかりとしたむなしさを感じるものです。

もうちょっとこまめにお小水をとっていればよかったかなとか、痰の吸引をもっとこまめにやっておくべきだったかなとかいろいろ考えてしまうんです。

このように入りいろな後悔の念が次々と湧き起ってきて、この仕事は自分に向いていないのかもなんて思ったことは何度もあるのです。

そしてそんなことがあってからは本来2時間に1回の巡回が決まりであるのに、1時間に1回の巡回をしてみたり、病状の良くない患者さんは30分に1回巡回してみたりなんてこともあるんです。

精神的なショックと言うほどではないのかもしれませんが、しばらくはこんな状態が続きます。

でも高齢な方や進行性の病気で積極的な治療を行わない患者さんの場合にはいってみれば死を待つ状態なわけです。

こうした患者さんが自分の勤務時間中に無くなるのはやはり自分に何の落ち度がないにしても、やはりご家族の方には何か後ろめたい気持ちを持ってしまったりするもので、できれば自分の勤務時間外になんて思ってしまうものです。

看護師も10年目くらいになり夜勤もひととおりこなして仕事に慣れてくると、手際よくこなせるようになり、アクシデントも先回りしながら織り込み済みで仕事をこなしていけるようになります。

そうすると夜勤の際のアクシデントもさらりとこなせるようになるのです。

2014年1月14日|